回路計 テスター


▲右に記載したすべてが測定可能な高級テスターの例
         (三和電気計器SH-88TR 1995年製
測定できるもの
@直流電圧 DCV
A直流電流 DVA
B交流電圧 ACV
C抵抗値 R

基本的には上記4項目について測定できます。

簡易的に
・コンデンサの容量(キャパシタンス)
・低周波出力(dB;デシベル)
などが読める目盛りのついたもの

さらに様々なプローブをオプションとして用意して
・直流高電圧の測定
・ロジックアナライザ
・トランジスタチェッカ
などの機能を持たせたものなどがあります。

少なくとも@〜Cの機能はどんなテスターも持ち合わせています。安いものは1000円程度、およそ3000円も出せば
DIYショップ辺りでもよいものが手に入ると思います。一家に1台は揃えていたら便利な測定器と思います。

テスターにもアナログ、デジタルがあります。デジタルの利点もありますがここではアナログ計器をお勧めします。
理由は時計と同じでアナログ特有の針の動きで判る独特の測定性能があるためです。

現在使用しているテスターです。
目盛りは
ACV、DCV、Ω、DCmAだけの
実にシンプルなものです。

1969年製ですので実に30年以上
愛用しているようです。

テスター測定TIPS
テスター初心者向けの一般的な測定方法・注意事項から覚えておくと便利なちょっとしたtipsを紹介しておきましょう。

<抵抗の測定>
・ロータリースイッチで切替えるレンジをΩにします。抵抗レンジにもいくつかあり、10kとか1Mという表示や×100とか×1k
とかいうレンジ表示になっています。前者はフルスケール値表示、後者は1つ表示してある抵抗値表示用の目盛りにその値を
かけて読みなさいという倍率表示です。

純粋に抵抗器の抵抗値測定の場合には+、−の極性は関係ありません。ただし応用測定では極性が関係します。
ほかの項目で説明します。

写真のテスタはフルスケール値がレンジに表示してあります。1Mのレンジを例にしますと
被測定物にリードを押し当ててまったく針が振れない場合、測定値は1MΩ以上であり、針が振れればそのまま左端が1MΩの
抵抗目盛りで値を読めばよいことになります。目盛りは平等目盛りではないので読み方に注意して下さい。

▲抵抗レンジにしてリード棒を接触させて短絡させます。
目盛りの右端の0Ωになるように「0Ω ADJ」などと表示
してあるつまみをまわして調整します。

読んで字の如く「0Ω調整」といいます。
▲そのまま被測定抵抗にリード線を当てます。
 針の振れを読みます。
 まったく振れない場合はフルスケール以上の値で
 あるか、またはそのような値が考えられない場合には
 断線、ということを考えることができます。

抵抗レンジでは内部の乾電池を電源とした回路を構成して流れる電流をメータに表示しています。
0Ω調整が不安定の場合、電池の消耗や0Ω調整用のつまみ(可変抵抗)の接触不良、テスタ棒の接触不良などが
考えられます。

<電圧の測定>
・測定対象と測定レンジが間違っていないかロータリースイッチを切替える毎に確認しましょう。
 抵抗レンジや直流電流レンジで家庭用のコンセントの電圧を測ると確実に瞬時にテスターのヒューズが切れるか、
 内部の構成部品が焼損します。

直流電圧の測定
ロータリー式の切替えスイッチをDCVレンジにします。
予想される電圧の直上直近のレンジを選びます。

例えば乾電池ならおよそ1.5Vのはずですので3V、
なければ10Vレンジという意味です。

まったく不明の場合は最高レンジに合わせて測定し、
次第にレンジを下げていきます。

テスターには、黒のテストリードが付いています。
本体端子には、−の表示があって一般的には
、黒は−の端子に差込み使用します。

直流電圧や直流電流を測定する場合には
+−の極性があって逆の場合には針が逆振れします。
メーターの強い逆振れは構造的にあまりよいこととは
いえません。

もちろん極性の不明な場合には比較的大きなレンジで
大きな逆振れを回避して極性をまず調べる、という段階を
踏みます。

高級なテスタの場合にはセンターメーターに切替え、
+−どちらに振れても測定することもできます。
交流電圧の測定
ロータリー式の切替えスイッチをACVレンジにします。
DCVと同様な測定手順を踏むことが必要です。

交流電圧を測定する場合には極性は関係ありません。

このテスターは1000Vレンジまでありますが、この電圧
まで安全に測定する(*注)には測定対象の判別と
ある程度の専門知識が必要ですので、一般の方は
せいぜいコンセントでの200V以下を限度にしておきましょう。

家庭用の分電盤内部の電圧測定に適合したテスターもありますが
この場合でも感電やリード線で隣のブレーカの配線に触って
ショートさせた、などということがないように十分な注意が
必要です。

上の写真はコンセントの電圧を測定しています。
レンジはACVの120Vとか300Vなどで測定します。
*注
測定電圧の限度や使用環境
テスターでの電圧測定には危険を伴う場合がありますのでそれぞれの取り扱い説明書をお読み下さい。
例えば最近のカード型デジタルテスタは分電盤の内部の電圧測定に適合しないものもありますし(IEC60664 過電圧カテゴリのレベルで表示)、
ここに写真を載せた高級テスターの例(三和電気計器SH-88TR 1995年製)では3kVAを超える電力ライン、250Vを超える電力ラインで
使用しないことなどを警告しています。


<誤差>
もともと簡易的な測定工具ですからおよその値であることは念頭に置いておきましょう。かつ、測定器を回路に
くっつけて測定するものですから回路自体が変化してしまうことも頭の片隅に記憶しておきましょう。

マニュアルのどこかにあるいは目盛り板のどこかに内部抵抗が表示してあります。例えばDC20kΩ/Vと書いて
あるはずです。
これは直流電圧を測定しようとある回路にリード線を当てた状態で
3Vレンジでは60kΩ、12Vレンジでは240kΩの抵抗が回路に接続されたことになります。これがもし回路に影響を
与えるものとしたら正確な測定にはなりません。

<ダイオード>
復習です。

・テスターには赤、黒のテストリードが付いています。本体端子には+、−の表示があって一般的には
黒は−の端子に差込み使用します。
・交流電圧や抵抗値を測定する場合には極性は関係ありませんが直流電圧や直流電流を測定する場合には
+−の極性があって逆の場合には針が逆振れするからです。メーターの強い逆振れは構造的にあまりよいこととは
いえません。
・もちろん極性の不明な場合には比較的大きなレンジで大きな逆振れを回避して極性をまず調べる、という段階を
踏みます。高級なテスタの場合にはセンターメーターに切替え+−どちらに振れても測定することもできます。

ダイオードの極性、カソードとアノードの電極はどちらか?を調べるためには「導通(抵抗)レンジ」にします。
ダイオードは整流器ですから電流を一方向にしか通さないのでその極性、電極を知ることができます。
ダイオード外装の印刷の表示や透けて見える電極の形状で判る場合もありますがジャンク野郎としては
その表示の消えた古いやつや表示の判りにくいものも判断して使わなければならないからです。

様々なダイオード
上の3つは
スイッチングや整流、検波に使用されます。

下半分は発光ダイオードです。
ここにあるLEDは
ロジック回路、アナログ回路のパイロットランプが
主な用途です。

ダイオードの外装にはカソードを示す線、または
矢印の記号が示してあり、外装に印刷できない
LEDなどは足の太さ、長さで判別できるように
してあります。

ところが矢印表示以外はどっちがどっちだったか
忘れることもあります。またジャンク品で取外した
LEDなんかは足の長さもまちまちです。
写真も緑色LED以外は基板取り外し品です。

そんなときにテスターを使えば確実に確認できる
ほか、良否の簡易判定もできます。

ここで問題なのはダイオードの電極にテスタ棒を入れ替えて当てて、片方は導通あり、片方は導通なしであることは
即判るが果たしてどちらがカソードなのか?ということです。

テスタを抵抗(導通)レンジにして被測定物にリードを当てたとき
「テスタ本体の黒(−)端子には内蔵電池の+が、赤(+)の端子には電池のマイナスが接続される」ということを
覚えておきましょう。
これは通常のダイオードに限らず発光ダイオードをパイロットランプとして使用する際の極性を知る際も有効です。

▲黒のテスタ棒(−)をLEDの赤いリード線に付けた時
 LEDが点灯しています。
 メータの針もある程度振れています。
▲黒のテスタ棒(−)をLEDの青いリード線に付けた時
 LEDは光りません。
 メータの針は動きません。
*注 LEDの種類によってはテスタの電源では点灯しないものや順方向の抵抗値の高いものもあります

この発光ダイオードは電源のパイロットランプ用に作られていますから赤いリード線を+、
青いリード線を−に接続するように一目でわかるようにしてあります。

A;アノード側に赤いリード、K;カソード側に青いリードが付けてあり、Aを電源の+側に接続すれば矢印方向に
電流が流れてLEDが光ります。

すなわち上の写真でテスタの黒いテストリードをLEDの赤いリードに付けたときに点灯しているということは
まさしく黒いテストリードは電源の+であるということを示しています。

赤、黒2色の場合の一般的な電源表示の常識、プラスは赤、マイナスは黒という概念をこのテスタの導通レンジ
の場合だけは捨てる必要があります。
復習です。
「テスタ本体の黒(−)端子には内蔵電池の+が、赤(+)の端子には電池のマイナスが接続される」


<コンデンサ>
コンデンサーという言葉が初めての方はこちらをどーぞ

▲コンデンサの例  すべてジャンク品なのでちょっと姿が貧相で申し訳ありません。

コンデンサの測定は「抵抗レンジ」の応用です。性能、用途、形状で様々な種類のコンデンサがありますが解説用として
大容量の電解コンデンサをテスターでチェックしてみましょう。

テスターの抵抗レンジでコンデンサCにテスタ棒を当てた場合を
考えます。

簡易的な回路は左図のようになります。Eは内蔵電池、Rは
テスタ内部の抵抗でここに流れる電流 i を考えます。

中学生で学ぶ理科ではこんな回路には電流は流れませんが
高校の物理や微分方程式を学ぶ数学になると電流が流れ始め
ますから面白いものです。

若い頃、交流回路を含めてR-L-Cの直並列回路の微分方程式はずいぶんと解きましたが正直にいいましてこの年になると
回路の方程式をたてること自体もおぼつかなくなりましたので一切の途中を省略しまして結果だけ・・・

i=E/R・[ε(1/C・R)・t]・・・・・・このホームページビルダーでは思うように式が書けませんのであしからず
εは自然対数の底        下図の式を参照して下さい。

このように流れる電流などを時間の概念を入れた式で解析する電気理論の分野を「過渡現象」といいます。
テスター棒をコンデンサに当てた瞬間t=0でE/Rの電流が流れます。あとはC・Rの時定数を持つ自然対数の
曲線で時間の経過とともに電流は限りなく0になります。

先ほどの測定回路を少し現実に近づけると純粋なキャパシタンスC
には漏れ抵抗 r が並列に接続されます。

もちろん r は小さいほど「良い」コンデンサで、経年劣化で r は増して
いくこともあります。

テスターで測ったとき針は一旦大きく振れ、次第に電流が0になり
ますから抵抗値は限りなく∞になります。ところが性能が低下して
いきますといつまで経ってもE/(R+r)の電流が流れますので
抵抗値は∞にはなりません。

このようにして特に電解コンデンサのように経年劣化で不良になる
割合の多いものはある程度の良否を判断することができます。

こちらはおよそ2000μFの大容量コンデンサに抵抗レンジにしたテスターを当てた様子です。
Video